トラックドライバーはやめとけ?底辺職?20年続ける理由

アンナギさん…「トラックドライバー やめとけ」で検索すると、すごい数の記事が出てくるんですけど。あれって、本当なんですか…?
先に本音を言うね。「やめとけ」って言われる理由は、正直どれもウソじゃない。腰はくるし、拘束時間も長い。……でも俺は、それでも20年続けてるよ。合う人には、けっこういい仕事なんだ。
結論から言います。
「トラックドライバーはやめとけ」は、半分は本当で、半分は言い過ぎです。
きつい面は、確かにあります。そこを隠すつもりはありません。
でも、ネットの「やめとけ」だけを見て決めてしまうと、自分に合う仕事を、見ないまま閉じてしまうかもしれない。
自分は2t・3t・4tと乗り継いで、ずっと地場(日帰り)配送で20年やってきた現役ドライバーです。
この記事では、「やめとけ」と言われる理由を正直に認めたうえで、それでも自分が続けている本音を書きます。
読み終わるころには、「自分に向いてるか、向いてないか」が、なんとなく見えると思います。
まず正直に。ネットで「やめとけ」と言われる理由
そもそも、どのへんが「やめとけ」って言われるんですか?
ここは、きれいごと抜きで書きます。
「トラックはやめとけ」と言われる理由は、だいたいこの4つです。
- 腰にダメージが蓄積する……荷物の積み降ろしを毎日やっていると、腰は確実に消耗します。ケアをサボると、これはキツい。
- 拘束時間が長い……自分の場合、週6日勤務で、朝6時出勤の日もあります。長い日は13時間以上。
- 体力仕事の日がある……荷物を手で積んで手で降ろす「手積み・手降ろし」の現場は、正直しんどいです。
- 時間が読みにくい……渋滞や天候で、予定通りに終わらない日もあります。
ここを隠して「楽しいよ!」なんて言うつもりはないよ。きついものは、きつい。これは本当。
だから、「やめとけ」と言う人の気持ちも、自分はよく分かります。
合わない人にとっては、確かにしんどい仕事です。
でも、話はここで終わりじゃありません。
それでも自分が20年やめなかった理由
そこまできついのに、なんで20年も続けられたんですか?
いちばん大きいのは、これです。
運転中は「一人の時間」で、気が楽なんです。
荷物の積み降ろしのときは、人と関わります。でも、いったんトラックに乗って走り出したら、そこは自分ひとりの空間。
誰かに気をつかい続ける必要がない。この時間が、自分にはすごく合っていました。

これは、前の仕事と比べると、はっきり分かります。
自分はドライバーになる前に、住宅リフォームの営業と、引越しの助手をやっていました。
- 営業……体は楽でした。でも、ずっと精神が削られる。数字に追われて、人に頭を下げ続ける。自分には、これがしんどかった。
- 引越しの助手……こっちは共同作業なので、コミュニケーションが想像以上に大切でした。息を合わせ続けるのは、体力とはまた別の疲れがあります。
要するに俺は、「一人で完結する時間がある仕事」が合ってたんだね。人とずっと関わる仕事より、こっちの方がずっと気が楽だった。
営業を辞めてトラックに来たときの経緯は、営業からトラックドライバーに転職して20年【正直、精神的にはこっちがラクだった】にくわしく書いています。
「今の仕事がしんどい」と感じている人は、こちらもあわせてどうぞ。
「トラック=きつい」ばかり語られますが、
人間関係のストレスが少ないという面は、あまり語られません。
ここが合う人には、続けられる大きな理由になります。
意外と知られてない「生活リズム」の話
でも、生活はやっぱり不規則になるんじゃ…?睡眠とか、削られそうで怖いです。
ここも、正直に書きます。
自分の場合はむしろ逆で、会社を移ってから、早寝早起きになりました。
大事なのは、「地場(日帰り)」か「長距離」かの違いです。
この2つは、同じ「トラックドライバー」でも生活がまったく別物になります。くわしくは地場と長距離どっち?に、自分の拘束時間の実数と、長距離をやっている仲間から聞いた話を並べました。
自分はずっと地場なので、夜はちゃんと家に帰れます。
朝が早いぶん、夜も早く寝る。結果として、睡眠はしっかり取れています。
生活のリズムは、正直、営業をやっていた頃より整いました。

「トラック=不健康」ってイメージがあるかもしれないけど、地場だと逆に規則正しくなったよ。ここは会社と働き方でだいぶ変わる。
※ただし、これは「地場だから」という前提です。
長距離は、また事情が違います(車中泊が続くなど)。
だから「トラックは生活が不規則」と一括りにするのは、ちょっと乱暴だと自分は思っています。
お金の話。ここは正直、悪くない
もう一つ、続けられた現実的な理由がお金です。
トラックの給料は、「できることが増えるほど、着実に積み上がっていく」のが正直なところ。
自分の場合は、未経験スタートの月給25万円前後から、20年かけて50万円台後半まで来ました。
もちろん、誰でも必ずそうなるわけではないし、「楽して」の金額でもありません(週6で長い日は13時間、という中身の話は別記事に書いています)。
ただ、営業のように「頑張っても数字次第」ではなく、
乗れる車と、任される仕事が増えれば、その分ちゃんと返ってくる。
この分かりやすさは、自分には合っていました。
給料の中身をもっと詳しく知りたい人は、
トラックドライバーの給料のリアル【新人25万→20年目50万台後半】を読んでみてください。
「底辺職」と言われることについて
ネットだと「トラック運転手は底辺」って書かれてたりします。……正直、それが一番こたえます。
ここは避けずに書きます。「やめとけ」より、こっちのほうが刺さる人は多いと思うので。
先に整理させてください。
この記事の最初に、「やめとけ」と言われる理由を4つ書きました。腰・拘束時間・体力・時間の読みにくさ。あれは仕事の中身の話です。
「底辺」と言われるのは、それとは別の話です。仕事そのものの値打ちを、外から値踏みされている。だから、分けて書きます。
まず事実として。自分は言われたことがありません
20年やってきて、面と向かって「底辺だ」と言われた経験は、一度もありません。
対面だと、人はそこまではっきり言いません。関係を壊すことになるからです。
むしろ言われるのは「大変だね」のほうです。
それと、これは自分の実感ですが——最近はネットでも、物流の仕事に理解があるように思えます。「トラックの運転手は大変だ」と書かれているのを見かけるようになりました。数年前とは、少し空気が違う気がしています。
人に職業を言うときの抵抗も、自分にはないんだ。隠したことは一度もないよ。
数字で見ると、どうなのか
気持ちの話だけだと弱いので、自分の数字も並べておきます。
この記事の最初に「長い日は13時間以上」と書きました。ならすと、1日の拘束はだいたい12時間です。トラック運転者の拘束時間は原則13時間以内と決まっている(2024年4月からの改善基準告示)ので、普段から上限の少し手前で働いていることになります。
ラクな仕事だとは言いません。ただ、拘束時間の長さと「底辺かどうか」は、別の話だと思っています。
もうひとつ、「給料が安いから底辺だ」と言われることもあります。これは、この記事の「お金の話。ここは正直、悪くない」に書いたとおりです。自分は未経験の25万円前後から、20年で50万円台後半まで来ました。
なぜ「底辺」と言われるのか
ネットで見かける根拠は、だいたいこれです。
「免許さえあれば、誰でもなれるから」
これに対して、自分が言いたいことがあります。
その前提は、今から始める人には当てはまりません
2017年3月12日に、運転免許の制度が変わりました。ここは自分の意見ではなく、決まっている話として書きます。
| 免許 | 運転できる範囲 | 目安 |
|---|---|---|
| 普通免許 (2017年3月12日以降に取得) | 車両総重量3.5t未満 最大積載量2t未満 | 積載2トン未満の車 (「2トン車」でも車種により不可) |
| 準中型免許 (2017年新設) | 車両総重量3.5t以上7.5t未満 最大積載量4.5t未満 | 2t・3t車と、総重量7.5t未満の4t車 |
| 中型免許 | 車両総重量7.5t以上 | 総重量8t前後の4t車はここ |
つまり——今から普通免許を取っても、運転できるのは車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満の車だけです。最大積載量がちょうど2トンの車は運転できません。
3トン・4トンに乗るには、別の免許を取り直さないといけません。
ここは、必ず自分で確かめてください。
じつは「4トン車」というのは業界の呼び名で、決まった規格ではありません。同じ4トン車でも、車両総重量が7.5トン未満なら準中型で乗れますが、8トンくらいある車なら中型が必要になります。車種によって変わります。
見分け方は簡単です。その車の車検証にある「車両総重量」を見てください。そこに書いてある数字が答えです。
ここを確かめずに教習所に行くと、要らない免許にお金を払うことになる。20万円以上かかるからね。会社に「うちの車、総重量いくつですか」って聞くのが一番早いよ。
車検証の見方は未経験からトラックドライバーになる手順のステップ1に書きました。
「誰でもなれる」と言われますが、免許のほうが先に厳しくなっています。時間もお金もかけないと、乗れる車は増えません。
ここは自分にも関係があるので、正直に書いておきます。
自分が免許を取ったのは20年以上前で、当時の普通免許は今よりずっと広い範囲に乗れました。だから自分は4トンまで乗れています。今から入る人とは、まったく同じ条件ではありません。
だから「自分は4tに乗れているから大丈夫」とは言えません。これから始める人は、まず自分の免許で何に乗れるかを確認してください。
自分は、底辺だとは思いません
結論を書きます。自分はこの仕事を底辺だとは思っていません。
理由は2つです。
ひとつ目。働いているだけで、立派だと思うからです。
きれいごとに聞こえるかもしれません。でも、朝起きて、決まった時間に出て、荷物を届けて帰ってくる。それを毎日続けられる人は、そんなに多くありません。20年やってみて、そう思うようになりました。
ふたつ目。もう「誰でもなれる仕事」ではないからです。
上に書いたとおり、免許が厳しくなりました。入口が狭くなった仕事を「誰でもできる」と呼ぶのは、事実と合いません。
底辺かどうかは、他人が決めることじゃないと思ってる。俺は20年やってきて、そう思わなかった。それだけだよ。
ただし、ひとつだけ付け足します。
もし今、自分の仕事を「底辺だ」と感じているなら——それは仕事のせいではなく、いる会社のせいかもしれません。拘束時間、給料、休みの取りやすさ。ここが悪いと、同じ仕事でも見え方が変わります。
とくに休みは、会社で大きく変わります。自分の場合は「取りやすいのに、年3〜4回しか取っていない」という状態でした。その理由は有給休暇のリアルに正直に書いています。
結論:「やめとけ」が当てはまる人・向いてる人
結局、どういう人なら「やめとけ」で、どういう人なら向いてるんですか?
20年やってきた自分の実感で、正直に線を引くとこうなります。
- 腰や体力にすでに不安があって、ケアをする気もない人
- 一人の時間より、いつも誰かと賑やかに働きたい人
- 「とにかく楽して稼ぎたい」だけの人(きついので、たぶん続きません)
- 一人の時間が、苦じゃない・むしろ好きな人
- コツコツ「できること」を増やして、給料を積み上げたい人
- 生活のリズムを整えたい人(※地場を選べば、の話)
「やめとけ」は、全員に当てはまる言葉じゃない。合わない人にはきついし、合う人には長く続けられる。俺は後者だっただけなんだ。
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ここまで読んで、「きついのは仕事なのか、それとも今の会社なのか」が分からなくなった人もいると思います。
正直に言うと、そこは比べてみないと分かりません。自分も、よその条件を知るまでは分かりませんでした。
探し方は、住んでいる場所で変わります。
A:埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪に住んでいる人
下はドライバー専門の転職エージェントの広告です。今すぐ辞めるためではなく、「よその条件を知る」ために使う——この記事を読んだあとなら、そういう使い方ができると思います。自分はこのサービスを使ったことがないので、中身の良し悪しは分かりません。
使える人は限られます。エリアは埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪の5つだけ(2026年9月時点)。登録すると電話がかかってきますし、年齢の条件(タクシー以外は18〜59歳)もあります。
B:それ以外の地域に住んでいる人
上はエリア外なので使えません。ハローワークか、直接応募になります。3つの探し方の違いは仕事の探し方3つの比較に書きました。
どちらにしても、今日辞める必要はありません。自分は条件を確かめたうえで、今の会社に残りました。確かめて残る、という結論もあります。
会社によって中身がどれだけ違うかは、やばい運送会社の見分け方と面接で聞くべき質問7つに書きました。辞めるかどうかの前に、まずここを確かめてください。
まとめ:「やめとけ」を鵜呑みにしないでほしい
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
「トラックドライバーはやめとけ」——
きつい面は、本当です。腰も、拘束時間も、体力仕事も、盛らずに書きました。
でも同時に、一人の時間で気が楽・地場なら生活が整う・給料がちゃんと積み上がるという、続けられる理由もあります。
ネットの「やめとけ」だけでは、この部分は見えてきません。
「底辺職」と言われることについても書きました。
自分は20年やってきて、面と向かって「底辺だ」と言われたことは一度もありません。
そして免許制度が変わり、「誰でもなれる仕事」でもなくなりました。今から普通免許を取っても、運転できるのは最大積載量2トン未満の車だけです。
少なくとも自分は、この仕事を底辺だとは思っていません。
だから最後に、自分から一つだけ。
「やめとけ」も「おすすめ!」も、他人の言葉です。
合うか合わないかは、あなた自身の性格と、選ぶ会社で決まります。
迷っているなら、確かめてから決めればいいと思います。
「じゃあ、今より条件のいい会社って本当にあるの?」が気になったら、下の記事も読んでみてください。
動くか、残るか。答えは、確かめてから自分で決めれば大丈夫です。