トラックドライバーの手取りはいくら?額面と手取りを両方公開

給与明細を手に持って、引かれている項目を確認しているトラックドライバーのイラスト
後輩くん
後輩くん

アンナギさん、求人票に「月給30万円」って書いてあっても、実際にそんなに振り込まれないですよね…。あれ、どう考えたらいいんですか?

アンナギ
アンナギ

そこは、みんなつまずくところだね。
今日は俺の額面と手取りを、両方そのまま出すよ。数字を見たほうが早いから。

給料のリアルを書いた記事では、額面の金額だけを出しました。

ただ、実際に生活で使えるのは手取りのほうです。
ここを書かないと、片手落ちだとずっと思っていました。

この記事では、自分(20年・2t〜4t・地場)の場合として、額面と手取りを両方、それと何が引かれているのかを正直に書きます。

先に結論:手取りは「額面の8割前後」です

細かい話の前に、実用的な結論から書きます。

自分の感覚では、こうです。

求人票の額面だいたいの手取り
30万円25万円くらい
40万円32万円くらい

求人票を見るときは、だいたい「額面の8割」で計算するようにしています。

少なめに見ておくのは、わざとです。
多めに見積もって足りないより、少なめに見積もって余るほうが困らないからです。

ただし「8割あれば必ず残る」という数字ではありません。家族構成や住んでいる地域、会社独自の天引きでも変わります。実際にいくら引かれるかは、明細を見るまで確定しません。

そして、ここが今日いちばん伝えたいところです。

額面が低いうちは、引かれる金額そのものが小さいので、額面と手取りはそこまで離れません。
額面が高くなるほど引かれる金額が大きくなり、人によって差も出やすくなります。

後輩くん
後輩くん

え、じゃあ給料が上がっても、そのぶん丸ごと増えるわけじゃないんですか…?

そうなんです。
ここは、あとで詳しく書きます。

自分の額面と手取りを、そのまま出します

数字を出したほうが早いので、そのまま書きます。

時期額面手取り
新人のころ25万円前後20万円前後
20年目の今50万円台後半40万円台後半

新人のころは、額面25万に対して手取り20万前後。
今は、額面50万円台後半に対して手取り40万円台後半です。

並べてみて、自分でも改めて思ったことがあります。
20年経っても、残る割合は8割前後のまま変わっていません。

新人のころは、額面25万から5万円ほど引かれていました。
今は、額面50万円台後半から10万円近く引かれています。

引かれる金額そのものは倍になりましたが、割合で見るとどちらも8割前後でした。
だから冒頭に「8割」と書いています。

ただし、これは自分の2つの時点を比べただけです。
この記事でも書いているとおり、給料が上がるほど、引かれる割合は上がっていきます。もっと上の額になれば、8割を下回ることもあります。

新人のころ「思ったより少ない」と感じた理由

ひとつ、正直に補足しておきます。

新人のころの自分は、残業がつかない部署に配属されていました。
額面が25万前後というのは、そういう事情もあっての数字です。そこは少ないと感じていました。

手取り20万前後というのは、引かれ方が特別ひどかったわけではありません。
そもそもの額面が伸びなかった、というのが正直なところです。

アンナギ
アンナギ

同じ会社でも、配属先で残業のつき方は全然違うんだ。
求人票の金額だけ見て決めると、ここで「思ってたのと違う」になる。

残業代の仕組みそのものは、残業代のカラクリを書いた記事にまとめてあります。

給与明細で、何が引かれているのか

給与明細の控除欄を指さして説明しているイラスト

一般的に引かれるものと、うちの場合に引かれているものを並べます。

引かれるもの何のお金か
健康保険料病院にかかるときの保険
厚生年金保険料将来の年金
介護保険料40歳から加わります
雇用保険料失業したときの保険
所得税その年の収入にかかる税金
住民税前の年の収入にかかる税金
子ども・子育て支援金2026年4月分から、健康保険料と一緒に引かれます
積立費会社独自の天引き(うちの場合)

上の6つは、勤め先が変わっても基本的に引かれるものです。
※項目の名前や並び方は会社によって違うので、自分の明細と見比べてみてください。

最後の積立費だけは、会社によってあったりなかったりする部分です。
うちの場合は、これが毎月引かれています。

ここは会社ごとの差が出るところなので、気になる人は面接で聞くべき質問のひとつとして、入る前に確認しておくといいと思います。

健康保険と厚生年金は、会社と半分ずつ

ひとつ知っておくと気が楽になることがあります。

健康保険と厚生年金の保険料は、会社と自分で半分ずつ負担する決まりになっています。
明細に載っているのは、そのうちの自分の負担分だけです。

公的な数字で言うと、こうなっています。

  • 厚生年金……保険料率は18.3%で固定。半分ずつなので、自分の負担は9.15%
  • 健康保険(協会けんぽ)……2026年度の全国平均が9.90%。こちらも半分ずつです(※都道府県によって率が違います)

この2つの自分の負担分を足すだけで、給料の1割4分ほどになります。
ここにさらに、雇用保険と所得税・住民税が乗ってきます。

「引かれすぎでは」と感じるかもしれませんが、会社も同じ額を出しています。
そう考えると、少し見え方が変わると思います。

給料が上がるほど、引かれる額も大きくなる

20年やって、はっきり感じていることを書きます。

住民税は、けっこう引かれていました。
そして社会保険と所得税も、給料が上がるたびに引かれる金額が大きくなりました。

これは自分の会社が特別なわけではなく、そういう仕組みです。

  • 社会保険料……給料に対する率で決まるので、給料が上がれば金額も上がります
  • 所得税……収入が多いほど税率そのものが高くなる仕組みです

だから、冒頭に書いたことになります。
額面が低いうちは、額面と手取りがそこまで離れない。額面が高くなるほど、差が開く。

後輩くん
後輩くん

じゃあ、昇給しても喜べないってことですか…?

そこは誤解しないでください。
上がれば、手取りもちゃんと増えます。増え方が、額面ほどではないというだけです。

自分の場合、新人のころの手取り20万前後が、今は40万円台後半になっています。
手元に残る額は、はっきり増えています。

保険料の率そのものが、20年で上がっています

これは調べてみて、はっきり分かったことです。

厚生年金の保険料率は、2004年10月から毎年少しずつ引き上げられてきました。
当時は13.9%台だったものが、2017年9月に18.3%になって、そこで固定されています。

つまり、自分が新人だったころと今とでは、同じ給料でも引かれる割合が違うということです。

「昔の先輩から聞いた手取りの話」がそのまま当てはまらないのは、これが理由のひとつです。

ここは正直に書いておきます。
それでも自分の手取りの割合が8割前後のまま変わっていないのは、その間に扶養する家族が増えて、そのぶん税金が安くなっているからだと思っています。
上がった要素と下がった要素が、たまたま打ち消し合っているだけです。

住民税は「前の年の収入」で決まります

ここは、知らないと生活費の計算が狂うところです。

住民税は、前の年の収入にかかる税金です。
そして6月から翌年5月まで、給料から引かれます。

どうなるかというと、こうです。

大事なのは「入社何年目か」ではありません。「前の年に収入があったかどうか」です。ここを取り違えている説明をよく見かけます。

前の年の状況どうなるか
前の年に収入がなかった人
(学校を出てすぐ、長く働いていなかった など)
1年目は引かれないことが多い。
2年目の6月から始まります
前の年に別の仕事で収入があった人
(他の業種からの転職)
1年目から引かれます

自分は後者でした。

アンナギ
アンナギ

自分は営業を辞めてトラックに移ったから、前の年の収入があった。だから1年目から住民税は引かれてたよ。「1年目はない」って話は、自分には当てはまらなかったんだ。

「1年目は住民税がない」とよく言われますが、他の業種から転職してくる人には当てはまりません。この記事を読んでいる人には、そういう人も多いはずです。

そして、前の年に収入がなかった人の場合は、2年目の6月から始まります。給料が変わっていなくても、その月から手取りが下がります。知らないと「何かの間違いか」と思うところです。

自分がどちらになるかは、住民税の決定通知書で金額を確認してください。転職したときの納め方(給料から引くのか、自分で納めるのか)は、会社の給与担当に聞くのが確実です。

家族がいると、手取りは変わります

自分には扶養している家族がいます。

そのぶん、独身の人より税金は安くなっています。
同じ額面でも、家族構成で手取りは変わるということです。

ここは、求人票の数字だけでは分からない部分です。
ネットで見かける「額面◯万円なら手取りは◯万円」という話が人によってズレるのは、これも理由のひとつだと思います。

会社からのお祝い金もありました

手取りの話とは少しずれますが、書いておきます。

自分の会社では、結婚したときにお祝い金、子どもができたときにもお祝い金が支給されました。

毎月の給料に出てくるものではありませんが、こういう制度がある会社もあるということです。
求人票にはあまり載らないので、気になるなら面接で聞いてみる価値はあると思います。

年末調整で、いくらか戻ってきます

毎月引かれている所得税は、あくまで仮の金額です。
年末にきちんと計算し直すのが年末調整です。

払いすぎていれば戻ってきますし、足りなければ逆に引かれることもあります。

自分の場合は、だいたい5〜6万円ほど戻ってきていたと思います。

正直、毎年きっちり金額を覚えているわけではありません。
戻ってくる時期や形(給料と一緒か、別に振り込まれるか)も会社によって違います。

ひとつ、聞いた話として書いておきます。
家を買った人は、住宅ローン控除で10万円近く戻ってきたそうです。
自分は経験していないので、ここは人から聞いた話としてだけ書いておきます。

ボーナスの手取りは、もっと分かりにくい

ボーナスについて書いた記事でも触れましたが、うちのボーナスは多くありません。

そこから税金や保険料が引かれるので、手元に残るのは2万円前後です。

ボーナスにも、給料と同じように社会保険料と所得税がかかります。
「ボーナスは丸ごともらえる」わけではないということです。

金額が小さいと、引かれたあとに残る額はさらに小さく感じます。
ここは、期待しすぎないほうがいい部分だと思っています。

求人票を見るとき、どう考えるか

✅
やっておくといいこと
  • 額面の8割を手取りの目安として考える
  • 額面が高い求人ほど、目安を少し厳しめに見る
  • 会社独自の天引き(積立費など)があるか面接で聞く
🤔
気をつけること
  • 額面をそのまま生活費として計算しない
  • 2年目の6月から住民税が始まることを忘れない
  • 人から聞いた手取りをそのまま自分に当てはめない

いちばん実用的なのは、やはり「額面の8割」だと思います。

ただし、これは自分の場合の目安です。
家族構成、年齢、住んでいる地域、会社独自の天引きで変わります。

だから、ぴったり当てるための数字ではなく、「額面のままではない」と気づくための数字として使ってください。

後輩くん
後輩くん

「8割」って覚えておけば、求人票を見たときに慌てずに済みそうです。

手取りを増やすために、自分がやったこと

後輩くん
後輩くん

で、結局どうすれば手取りって増えるんですか?

先に正直に書きます。特別なことは、何もしていません。

20年で、未経験の25万円前後から50万円台後半まで来ました。その理由は、3つしかありません。

増えた理由中身
乗れるトラックが大きくなった2t → 3t → 4t。これがいちばん大きい
それに伴って、残業代も上がった自分の場合、トン数が上がったあと、残業代の額も上がりました
長く働いた年数そのもので上がった部分もあります

ただし、ここは注意してください。今から入る人と、自分とでは条件が違います。

自分が免許を取ったのは20年以上前で、当時の普通免許は今よりずっと広い範囲に乗れました。

2017年3月12日以降に取った普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満などの条件を満たす車です。最大積載量がちょうど2トンの車は運転できません。

ここで気をつけてほしいことがあります。「2トン車」「4トン車」というのは業界の呼び名で、決まった規格ではありません。同じ「2トン車」でも、積載量は車種によって違います。

だから呼び名で判断しないでください。その車の車検証にある「車両総重量」と「最大積載量」を見て、自分の免許証の種類・条件と照らし合わせる。これが確実です。追加の免許が必要かどうかは、教習所か運転免許センターで確認してから決めてください。

つまり「トン数を上げる」には、まず自分の免許の確認からです。そこを飛ばすと、要らない免許にお金を払うことになります。
免許まわりの話はやめとけ?底辺職?にまとめました。

「資格手当」のようなものは、自分にはありません

ここは、よそで言われていることと違うかもしれません。

「資格を取れば手当がつく」とよく書かれていますが、自分の給料に、そういう手当はほとんどありません。
ついているのは、ほぼ残業手当だけです。

アンナギ
アンナギ

これは自分の会社の場合だよ。手当が手厚い会社もあると思う。ただ、うちはそうじゃなかった。だから正直に書いておく。

ここは、気をつけて読んでください

自分の給料は、残業代の比率が高いということです。

これは、裏を返すとこうなります。

残業が減れば、手取りも減ります。

そして今、トラック運転者の拘束時間には上限があります。2024年4月に変わった決まり(改善基準告示)で、原則1日13時間以内、延長しても15時間までとなりました。働ける時間そのものに、ふたがあるということです。

この決まりの中身は地場と長距離どっち?に、自分の実際の拘束時間と並べて書きました。

だから求人票を見るときは、その月収がどれだけ残業に頼っているかを確認してください。
聞き方は面接で聞いておきたかった質問7つに書きました。「その月収例は、残業何時間で出た額か」——これだけでも、だいぶ見え方が変わります。

「効いた裏技」は、思い当たりません

最後に、これも正直に。

「これをやったら手取りが増えた」という特別な方法は、自分には思い当たりません。逆に「これは効かなかった」というものもありません。

乗れる車を増やして、続けた。それだけです。

20年やってみて、近道はありませんでした。

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聞くときは、額面だけで判断しないでください。そこから何が引かれるかまで聞く。答えてもらえないときは、この記事の「8割」を目安にしてください。

まとめ:額面ではなく、手取りで比べる

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

この記事で言いたかったことをまとめます。

  • 自分の実額は新人のころ「額面25万前後→手取り20万前後」/今「額面50万円台後半→手取り40万円台後半」
  • 目安は額面の8割。20年経っても、この割合は大きく変わりませんでした
  • 2年目の6月から住民税が始まり、給料が同じでも手取りが減ります
  • 厚生年金の保険料率は上がってきて、今は18.3%で固定。昔の話がそのまま当てはまりません
  • 年末調整で5〜6万円ほど戻ってきていました

転職を考えるときは、額面同士ではなく、手取り同士で比べてください。

額面が上がっても、残業が減れば手取りは下がります。
逆に、額面が同じでも会社独自の天引きがなければ、手元に残る額は増えます。

そもそもどこで求人を探すかで、比べられる会社の数も変わります。
そこは仕事の探し方3つの比較にまとめてあります。

数字は、比べる場所を間違えなければ、ちゃんと味方になってくれます。