トラックドライバーは地場と長距離どっち?地場20年が比べる

道が二手に分かれ、片方は町の家並みへ、片方は遠くの山へ続く分岐点にトラックがいるイラスト
後輩くん
後輩くん

トラックドライバーって、地場と長距離、どっちがいいんですか?迷っちゃって…。

アンナギ
アンナギ

先に正直に言っておくね。俺はずっと地場で、長距離はやったことがないんだ。だから「両方やった人の比較」はできない。ただ、まわりに長距離をやってる仲間はいるから、その人たちから聞いた話は、正直に伝えるよ。

結論から言います。
地場と長距離、どっちが正解かは人によります。優劣はありません。

いちばんの分かれ目は、たぶんこれです。
「あなたは、家を空けても平気ですか?」

自分は「毎日家に帰りたい派」だったので、20年ずっと地場です。そして、その選択を後悔していません。
この記事では、自分の実体験にもとづく「地場のリアル」と、まわりの長距離ドライバーから聞いた「長距離の話」を、正直に整理します。

地場については、自分の拘束時間・運転時間・走行距離を、数字でそのまま出します。法律で決まっている上限とも並べました。
長距離については、家に帰らない日に風呂と食事をどうしているのかまで、聞いた話として書きます。

まず正直に。自分は「地場ひとすじ」です

この記事を読むうえで、先に知っておいてほしいことがあります。

自分は2t・3t・4tと乗り継いで、20年ずっと地場(日帰り)。
長距離は、一度もやったことがありません。

なので、この記事はフェアにするために、こう分けて書きます。

  • 地場の話……これは全部、自分の20年の実体験です。
  • 長距離の話……自分はやっていないので、まわりの長距離ドライバーから実際に聞いた話として書きます。(勝手に盛ったり、決めつけたりはしません)
後輩くん
後輩くん

正直に線を引いてくれると、逆に信じられます。

地場のリアル(これは自分の実体験)

まず、自分がよく知っている地場から。
20年やってきて感じる、地場の「いいところ」と「大変なところ」です。

夕暮れの住宅街で、家の前に帰ってきた小型トラックのイラスト(地場=毎日家に帰れる)

いいところ

  • 夜は毎日、家に帰れる……これが地場の最大の魅力だと思っています。
  • 家族と円満でいられる……毎日帰れるからこそ、家族との時間を持てる。自分にとっては、ここがいちばん大きい。
  • 生活リズムが、そこそこ整う……会社を移ってからは早寝早起きになって、睡眠もちゃんと取れています。

大変なところ(ここも正直に)

  • 週6勤務で、朝が早い日もある……自分の場合、長い日は13時間以上。ラクではありません。
  • 夏は、体力的に特にきつい……暑い中での積み降ろしは、正直こたえます。
  • 積み降ろしの回数が多め……日帰りでいくつもの届け先を回るので、その分、体を使います。

給料は、「できることを増やして、コツコツ積み上げる」タイプ。
自分は未経験の25万円前後から、20年で50万円台後半まで来ました。
(くわしくは給料のリアルに書いています)

地場の1日を、数字で出します

後輩くん
後輩くん

地場って、実際どのくらい働いてるんですか?

「ラクそう」「きつそう」だけだと分からないと思うので、自分の数字をそのまま出します。

項目自分の場合(2t〜4t・地場)
拘束時間(家を出て帰るまで)だいたい12時間
実際に運転している時間平均6時間くらい
1日の走行距離200kmくらい

ここで気づいてほしいことがあります。

拘束12時間のうち、運転は6時間。残りの6時間は、運転していません。
何をしているかというと、積み降ろしと、待ち時間です。

アンナギ
アンナギ

「トラックの仕事=運転」だと思われがちなんだけど、地場は半分近くが運転以外なんだ。ここを知らずに入ると、たぶん「思ってたのと違う」ってなる。

法律では、どこまで働けることになっているのか

ここは自分の体験ではなく、一般的なルールとして書きます。

トラック運転者の労働時間には「改善基準告示」という決まりがあり、2024年4月から内容が変わりました。

  • 1日の拘束時間は、原則13時間以内
  • 延長する場合でも、1日15時間まで
  • 運転時間は、2日の平均で1日9時間以内

自分の数字と並べてみます。

ルール自分の場合
拘束時間原則13時間以内12時間
運転時間2日平均で9時間以内6時間

運転時間には、かなり余裕があります。一方で、拘束時間は原則の上限まで、あと1時間しかありません。

これが「地場はラク」と言われることへの、自分なりの答えです。
運転はきつくない。でも、拘束されている時間は、法律の上限の手前まで来ています。

この記事の前のほうで「長い日は13時間以上」と書きました。それは延長が認められる範囲の話ですが、そういう日もあるということです。

会社を選ぶときは、「何時間運転するか」ではなく「何時から何時まで拘束されるか」を聞いてください。ここが生活を決めます。面接で何を聞けばいいかは面接で聞くべき質問7つにまとめました。

長距離は?(まわりのドライバーから聞いた話)

後輩くん
後輩くん

じゃあ、長距離はどんな感じなんですか?

ここは、自分の体験じゃなくて、長距離をやってる仲間から聞いた話として読んでください。

どこまでもまっすぐ続く高速道路を、地平線に向かって走るトラックのイラスト(長距離のイメージ)

まず、お金の話から。長距離のほうが給料は上がる――これは、自分のまわりでもよく聞きます。感覚としても、そうだろうと思います。

ただし、ここに具体的な金額は書きません。

理由を正直に書きます。
自分が金額を聞いたのは15年ほど前のことで、しかも自分の聞き間違いだったかもしれないからです。会社によっても、荷物によっても、その人の働き方によっても変わります。

確かめていない数字を書いて、それを見た人が会社を辞めたら、自分は責任が取れません。
「長距離なら月◯◯万」という数字は、あちこちで見かけると思います。でも、その数字が自分に当てはまるかどうかは、その会社に聞くしかありません。

金額の代わりに、確かなことを書きます。その稼ぎには、必ず"引き換え"があります。

  • その日のうちに家に帰れないことがある……車中泊は、普通にあると聞きます。しっかり稼いでいる人ほど、家に帰らない働き方だと聞きました。ただ、これも15年ほど前に聞いた話です。今も同じかどうかは分かりません。
  • 生活リズムは不規則になりやすい……毎日同じ生活、というわけにはいきにくい面があります。
  • 運転している時間が長い……一方で、地場より積み降ろしの回数は少ないケースもあるようです。

印象に残っている話があります。
長距離でしっかり稼いでいる人が、「お金は稼げるけど、使う道がない」と、こぼしていたんです。
家に帰れないと、お金を使う時間も、一緒に過ごす相手もいない。
稼ぎと引き換えに、手放すものもある――そういうことなんだと思います。

アンナギ
アンナギ

「長距離は稼げる」――これは本当だと思う。ただ、その金額は"何日家に帰れないこと"とセットなんだ。そこまで込みで、地場と比べてほしい。

家に帰らない日、風呂と飯はどうしているのか

ここが、いちばん想像しにくいところだと思います。自分も最初は分かりませんでした。

聞いた話では、こうです。

  • 風呂は、高速のパーキングエリアやガソリンスタンドで入る
  • 食事も、そのタイミングで一緒に済ませる

「不便そう」と思うかもしれません。ただ、話を聞いていて意外だったのは、本人はそれを楽しんでいたことです。

アンナギ
アンナギ

「その土地の名産が食えるのが楽しみだ」って言ってたんだ。行った先の飯を食う。それが長距離の役得なんだと思う。

きつい話ばかりになりがちですが、長距離には長距離の楽しさがあるということです。
毎日同じ道を走る地場には、これはありません。

どっちが向いてる?(判断軸)

ここまでの話を、ひとつの表にまとめておきます。

地場(日帰り)長距離
家に帰れる?毎日帰れる帰れない日がある
(車中泊も普通)
給料コツコツ積み上げ型上がると聞く
(金額は確かめていません)
拘束時間自分の場合
1日12時間(うち運転6時間)
聞いた話でも分かりませんでした
生活リズムそこそこ整う不規則になりやすい
体の使い方積み降ろしが多め
(夏は特にきつい)
運転時間が長い
家族との時間持ちやすい持ちにくい

※長距離の欄は、自分の体験ではなくまわりの長距離ドライバーから聞いた話です。

優劣ではなく、「自分の生活に、どっちが合うか」で選ぶのがいいと思います。
ざっくり線を引くと、こうです。

🏠
地場が合いそうな人
  • 毎日、家に帰りたい
  • 家族との時間を大事にしたい
  • 生活リズムを整えたい
  • コツコツ給料を積み上げたい
🚚
長距離が向いてるかもな人
  • 家を空けても平気
  • 長く運転すること自体が好き
  • 一人の時間が長くても苦にならない
  • 収入を優先したい
アンナギ
アンナギ

俺は家族と円満でいたかったし、毎日家に帰りたかった。だから地場一択だった。それだけの話なんだ。長距離が悪いって話じゃないよ。

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ここまで読んで、「結局、自分の地域だとどっちの求人が多いんだ」と思った人もいると思います。地場と長距離のどちらが選びやすいかは、住んでいる場所によっても違うと思います。自分は自分の地域しか知らないので、そこは断言できません。

探し方も、住んでいる場所で変わります。

A:埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪に住んでいる人

下はドライバー専門の転職エージェントの広告です。地場と長距離、それぞれの求人がどのくらいあるのかを聞いてみる——この記事を読んだあとなら、そういう使い方ができると思います。自分はこのサービスを使ったことがないので、中身の良し悪しは分かりません。

ドライバーの求人・転職・募集なら【レバジョブ】

使える人は限られます。エリアは埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪の5つだけ(2026年8月時点)。登録すると電話がかかってきますし、年齢の条件(タクシー以外は18〜59歳)もあります。

B:それ以外の地域に住んでいる人

上はエリア外なので使えません。ハローワークか、直接応募になります。
地場の求人は地元の会社が持っていることが多いので、そちらのほうが見つかることもあります。3つの探し方の違いは仕事の探し方3つの比較に書きました。

どちらにしても、この記事の「拘束時間を聞く」だけは、忘れないでください。それが分かれば、あとは自分で選べます。

未経験なら、まず地場から?

後輩くん
後輩くん

未経験だと、どっちから始めるのがいいですか?

これは自分の意見ですが、未経験なら、まず地場から慣れるのがいいと思います。

日帰りで毎日家に帰れるぶん、体もラクだし、覚えることも一つずつで済みます。
まず地場で仕事に慣れてから、あとで長距離に挑戦する、という順番も自然です。

ただし、これは「家を空けても平気かどうか」次第でもあります。
家を長く空けても平気なタイプなら、最初から長距離を選ぶのもアリだと思います。

未経験からの入り方そのものは、未経験からトラックドライバーになる手順にまとめています。

自分が長距離を選ばなかった、本当の理由

後輩くん
後輩くん

アンナギさんは、長距離をやろうと思ったことはないんですか?

正直に書きます。選択肢にすら入りませんでした。

理由は、トラックの前にやっていた営業の仕事にあります。

営業時代、車でいろいろな土地へ出張していました。知らない街に行く経験は、そこでもう十分にしていたんです。

だから、長距離の魅力としてよく語られる「いろんな場所に行ける」に、自分は惹かれませんでした。すでに知っていたからです。

そしてもうひとつ、これも正直に。
長距離は、疲れます。遠くまで運転して帰ってくるあの疲れ方を、自分は営業時代に知っていました。あれを毎週やる自信は、正直ありません。

アンナギ
アンナギ

だから自分が地場を選んだのは、「地場のほうが優れているから」じゃないんだ。自分がもう経験していたから、欲しくなかった――それだけ。

それでも、若い人には「やってみたら」と言います

ここは矛盾して聞こえるかもしれません。

自分は選ばなかった。でも、若い人に「長距離をやってみたい」と言われたら、「経験のためにやってみたら」と答えます。

理由は単純です。自分が長距離を選ばなかったのは、すでに経験があったからだと、さっき書きました。
裏を返すと、経験がない人には、まだ分からないということです。

やってみて「合わない」と分かるのも、立派な収穫です。

さっき「未経験なら、まず地場から」と書きました。それは今も変わりません。仕事そのものは、地場のほうが一つずつ覚えられます。

そのうえで、「いつか長距離をやってみたい」と思っているなら、それは早いほうがいいとも思います。体力があるうちにしかできない働き方だからです。

順番としては、地場で仕事を覚えて、やるなら早いうちに――そう考えています。

ちなみに、長距離から地場に移った人がいるのかは、自分は聞いたことがないので分かりません。
「あとから戻れるかどうか」は、自分には答えられない部分です。

まとめ:分かれ目は「家を空けても平気か」

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

地場と長距離は、どっちが上ということはありません。
いちばんの分かれ目は、「あなたが、家を空けても平気かどうか」だと思います。

  • 毎日家に帰りたい・家族との時間を大事にしたい → 地場
  • 家を空けても平気・収入を優先したい → 長距離(ただし、その分は「家に帰れないこと」と引き換えです)

自分は毎日家に帰りたかったので、地場を20年。家族とも円満でいられて、この選択で良かったと思っています。
(長距離については、やっていないぶん、まわりの仲間から聞いた話として正直に書きました)

「そもそも自分にトラックが向いてるのかな」から迷っているなら、下の記事も読んでみてください。
あなたの生活と性格に合うほうを、落ち着いて選べば大丈夫です。